心理職が知っておきたい働き方、お金との付き合い方

公務員からブラック企業、飲食業に医療業界、転職経験の多い心理屋(臨床心理士、公認心理師)がこれからの時代を生き延びる働き方、お金のことについて語るブログ。心理職向けではありますが一般向けの話題もあります。

AIは心理の仕事を駆逐するか?(その2)

言い訳になってしまいますが、現職の雑務や転職活動(まだ決まってないけど)、オンラインカウンセリングへの挑戦など多忙でブログ更新をだいぶ放置しておりました。

 

 

実はこのところ、AIを用いてカウンセリングをできないか、というチャレンジに微力ながら関わっております。(ほんとに微力ですけどね)

 

前回、心理面接やコンサルテーションの領域はまだまだAIに替われないよ、という話をしました。

 ドラえもんやC-3POのような、人間と同じように感じ・考えるようなAIを作るのは(少なくとも今の技術では)無理です。

なので、柔軟な発想を求められる心理面接やコンサルテーションも無理です。

 

と思っていました…

 

ですが、カウンセリングを受ける側がカウンセラーに相談していると認識しているのではなく、「相手は機械だ」と認識したうえでカウンセリングに臨んだらどうでしょうか?

 

家族療法の領域では、「集団の在り方」を観察しようとしても、それは「観察者に観察されている集団の在り方」になってしまうという考え方があり、

つまりは「相談相手の存在自体が集団の在り方に影響を与える」と言えるわけですが、

 

 

「相手は機械だ」と認識したうえでカウンセリングが行われたとしたら、人間のカウンセラーが対応したのとは異なる結果が出てくるのではないかと感じました。

 

人間と同じようにカウンセリングをするのは無理かもしれません。

 

ですが、人間のカウンセリングとは別物として「AIのカウンセリング」が成立する可能性はこれから芽生えてくるのかもしれない

 

なんてことを思いました。

先行者利益になるかもね!…なんて。

AIは心理の仕事を駆逐するか?

タイトルの問いに対する回答を先に述べてしまうと

「心理の仕事の大部分は生き残る。だが一部、駆逐される部分はある」

ということになるかと思います。

 

現代はあらゆる事象がデータ化されて蓄積され、ネットワークで有機的に組み合わせて利用することが可能になり、それをAI(人工知能)が活用できるようになり、コンピュータが自発的に学習・判断ができるようになっており

第4次産業革命

の時代であると言われています。

 

人工知能はコンピュータが自分で考え、進化していくという特性から

人間の頭脳に取って代わると思われがちです。

 

そんな中、「ヒトの仕事はAIに奪われる」という人がいます。

かく言う私も、「だから仕事が無くなる前に資産形成しようぜ」というカンペキにうさんくさい話をもちかけられたことがあります(笑)

 

私の知人(だいたい飲み屋で知り合った人ですが 笑)に、AIの開発に携わっている人が何人かいて、心理屋としても興味ある分野だったので聞いてみたことがあるのですが

 

少なくとも現時点では、AIは与えられたデータからしか考えることができないので、完全に人間の脳と同じことをすることはできません。

心理の仕事に関して言えば、大部分の人が携わるであろう心理面接やコンサルテーションといった領域は現段階のAIでは不可能です。

 

では、心理の仕事はAIには淘汰されないぜ!!と言えるかというとそうとも言い切れない部分があると私は思います。

 

それは何かというと、心理検査の領域です。

数字で結果を出す質問紙なんかは、AI以前にエクセル組んでも処理できるでしょう。

 

というと、「いやいや、心理検査は数字だけじゃねえよ観察所見とかも大事だよ」と言われる方もいるでしょうが

 

身体領域の医師なんかにとっては

「観察所見とか知らねえよ!カットオフ値の上なの?下なの?」としか思ってない人がけっこういます。

もちろんそういう人だけではありませんけども、医師で心理学的検査の質的な面まで考えられるくらい丁寧に考えられる人がどれくらいいるかというと…ね。

 

ちなみに、質的な部分はAIには無理、となると知能検査、ロールシャッハ、バウムテストあたりはどうなの?と思われそうですが

 

おそらくはスコアリングの補助としてはAIは現時点でもかなり使えると思います。

 

知能検査やロールシャッハやバウムテストにおける対象者の反応をそのままAIに分析させるには、まだ十分な精度を得られないのではないかと思うのですが、

 

身体領域では、会話形式のやりとりから「どんな疾病が疑わしいか」を提案するシステムが既に出来上がっているそうです。

 

それを応用すれば、「こういう反応はこのようににスコアリングされる可能性が高いです」というようなスコアリングの補助を担うのは現時点でもかなり有力だと思います。

 

というわけで、心理の仕事がAIに奪われるということはすぐには起こらないと思うのですが

 

質問紙検査や神経心理検査しかやっていない、という専業テスターは身の危険を感じておいたほうがいいかもしれませんね。

100万円の売上を出す方法教えます(?)

新車のベンツ買って、売ってください。

以上。

ベンツの新車ならまず100万円以上では売れるでしょうね。

はい、売上100万円達成です。

利益とは言ってませんよ。

 

バカにしてんのか!!と思われるでしょうが、

これが「ごまかし」だと気づけるアタマと

「目的を達成する方法」として見るアタマ

どちらも備えているとビジネスには強いです。

 

まず上記の「100万円の売上を出す方法」のどこが"ごまかし"かというと、支出・利益を考慮せずに売上の話だけしているので、仕入額がよほど安くない限りは損をすることになります。

 

考えてみれば当たり前の話ですが、実は世の中にはこういうことをごまかして(さすがに私が書いた例ほど露骨ではありませんが)派手に数字をアピールしていることがけっこうあります。

 

「副業でもできる」「ほったらかしでOK」とかうたっているネットビジネスではこういうことが多くあります。

「副業でも売上〇〇万円達成!」

「ほったらかしで〇〇万円売れた!」

など景気のいい言葉が並んでいたりしますが、支出には触れていないものも多いです。

 

実際には、売上の数字そのものは真実でも、それにかかった支出を出していないので

実際手元にいくら入ったか

が不透明です。

 

厳密に言うと、利益には粗利益、経常利益、純利益などいろいろな種類があるのですがそれはまた別の機会に話します。

 

さて、損してでも売上を出す、という考え方を「目的を達成する方法」と考えるとはどういうことでしょうか?

 

これはどちらかといえば販売職や営業職など「実績を残す」ことを求められる考え方です。

 

金額の上では損をすることでも、目標売上を「達成した」ことが評価に繋がるのであれば、評価を買ったという考え方もできます。

 

また、形式にこだわって目標を達成できないよりも、目標を達成するために柔軟な思考ができることは強みです。

 

もちろん、利益を圧迫してまで目標達成するのが常態化するのはまずいですけどね。

仕事は6割の出来で終わらせろ!

仕事が終わらない!!量をこなせない!!

という方、いらっしゃいませんか?

 

というか、だれでもぶつかる壁だと思います。

 

そのようなときは仕事の「質」を度外視して

まずは「終わらせる」ことにフォーカスしましょう。

 

仕事の質も高いに越したことはありません。

ですが、完璧を求めようとするといつまでたっても終わらない可能性があります。

「100点満点のものを出したい」と思う気持ちは大事ですが、「じゃあいつになったら100点満点になるの?」と自問してみてください。

その期限を宣言できないんじゃないでしょうか。

期限を定めたとしてもそのときに100点満点になっているかは怪しいところです。

 

また、あなたの仕事を求めている人がどこまでのもので「事足りるか」を考えてみたときに、60点くらいの出来で十分だったりするものです。

 

特に書き物はそうです。

推敲することは大事ではあるのですが、「なんか違う」感にとらわれていると進まないものです。

明かに間違っていたり、意味が通じないのはダメですが、一読して「完璧ではないけどまあいいや」と思えるならそれで一旦「できた」ことにしましょう。推敲するのは一通り終わってからでいいのです。

 

というわけで、今回は「ブログをほったらかしにしない」ということを目的として、6割の出来で良しとしました(笑)

仕事の幸福度を決定する要素

自分の転職歴の多さを他者援助に活かしたいと思っているのですが、加えて自分自身が転職をもくろんでいることもあり、最近は職選び、転職ノウハウ系の書籍に手を付けています。

 

今回はその中で鈴木祐『科学的な適職』をご案内します。

 

「何を仕事にするか」について書かれた本は星の数ほど出ています。

どれも説得力あるように書かれているのですが、経験則や耳通りの良い言葉で書かれたものが多く、統計データから見ると結果を伴っていないことがあります。

(ただし、それらが一概にデタラメで信用ならないものだということではありません。考え方の参考にするには十分有益であることが多いです。これからの当ブログでも、そういった書籍を取り上げようと思います)

そこで本書は、統計データの裏付けをもって

幸福な仕事の選び方が書かれています。

 

大まかな章立てとしては

1.(大事だと思われているが)実際には仕事の幸福度には関係の無い要素

2. 仕事の幸福度を決定する要素

3. 仕事の幸福度を下げる要素

4. 正しい判断を妨げるバイアスとその除去

5. やりがいを再構築する方法

になっています。

 

それぞれの詳細は実際にお読みいただくとして、

 

本稿では「転職を考えている人」にも「今の仕事を離れる気はないけども満足はしていない人」に関係するであろう「仕事の幸福度を決定する要素」をピックアップしてみます。

本書ではそれらを「徳目」として、7つの要素をデータに基づいて挙げています。

 

①自由

仕事の内容、スケジューリング、ルール等に自分の意見が反映されるかどうか、自分の裁量でどこまで決められるか。

 

②達成

仕事が進んでいる、自分が成長していると感じられる機会があるか。

自分がしたことはいつ、どのように評価されるか。モチベーションの維持向上に役立つか。

 

③焦点

自分の仕事の仕方(焦点)は「成功を求めてアクティブに動くタイプ」か「義務を果たすために堅実にこなすタイプ」か。

(本書ではそれを判定するスケールも記載されています)

それに合った仕事内容か。

 

④明確

不当な高待遇・低待遇になっている人はいないか。評価は公正か。透明性はあるか。

タスクや指示系統は明確か。

 

⑤多様

労働者のスキルや能力を幅広く活かせるか。

工程の上流から下流まで関与できるか。

 

⑥仲間

職場内の人間関係は悪くないか。良い友人はいるか。

 

⑦貢献

「この仕事は誰かのためになる」と思えるか。

 

さて、あなたの今の仕事、これから就こうとしている仕事はどうでしょうか?