自分の転職歴の多さを他者援助に活かしたいと思っているのですが、加えて自分自身が転職をもくろんでいることもあり、最近は職選び、転職ノウハウ系の書籍に手を付けています。
今回はその中で鈴木祐『科学的な適職』をご案内します。
「何を仕事にするか」について書かれた本は星の数ほど出ています。
どれも説得力あるように書かれているのですが、経験則や耳通りの良い言葉で書かれたものが多く、統計データから見ると結果を伴っていないことがあります。
(ただし、それらが一概にデタラメで信用ならないものだということではありません。考え方の参考にするには十分有益であることが多いです。これからの当ブログでも、そういった書籍を取り上げようと思います)
そこで本書は、統計データの裏付けをもって
幸福な仕事の選び方が書かれています。
大まかな章立てとしては
1.(大事だと思われているが)実際には仕事の幸福度には関係の無い要素
2. 仕事の幸福度を決定する要素
3. 仕事の幸福度を下げる要素
4. 正しい判断を妨げるバイアスとその除去
5. やりがいを再構築する方法
になっています。
それぞれの詳細は実際にお読みいただくとして、
本稿では「転職を考えている人」にも「今の仕事を離れる気はないけども満足はしていない人」に関係するであろう「仕事の幸福度を決定する要素」をピックアップしてみます。
本書ではそれらを「徳目」として、7つの要素をデータに基づいて挙げています。
①自由
仕事の内容、スケジューリング、ルール等に自分の意見が反映されるかどうか、自分の裁量でどこまで決められるか。
②達成
仕事が進んでいる、自分が成長していると感じられる機会があるか。
自分がしたことはいつ、どのように評価されるか。モチベーションの維持向上に役立つか。
③焦点
自分の仕事の仕方(焦点)は「成功を求めてアクティブに動くタイプ」か「義務を果たすために堅実にこなすタイプ」か。
(本書ではそれを判定するスケールも記載されています)
それに合った仕事内容か。
④明確
不当な高待遇・低待遇になっている人はいないか。評価は公正か。透明性はあるか。
タスクや指示系統は明確か。
⑤多様
労働者のスキルや能力を幅広く活かせるか。
工程の上流から下流まで関与できるか。
⑥仲間
職場内の人間関係は悪くないか。良い友人はいるか。
⑦貢献
「この仕事は誰かのためになる」と思えるか。
さて、あなたの今の仕事、これから就こうとしている仕事はどうでしょうか?